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〈食と美と健康〉運動と筋肉:赤身と白身の刺身                     

多くの日本人は、寿司ネタの味を区別することができる。マグロとヒラメとでは歯ごたえと味が違うし、赤身と白身のあることも知っている。マグロ、サケ、カツオなど赤身の魚の特徴は、どちらかというと中型から大型の魚に多く、しかもかなり遠洋で捕獲される魚に多い。一方、タイ、ヒラメやカレイなどの白身の魚は、普段は海底に隠れており、餌が近づくと瞬間的に飛びつき、また海底にひそんでしまう。この魚の行動パターンと、魚肉の色とは関係があり、エネルギー生成系が異なることの反映である。

私たちの筋肉についてはどうであろうか。体には、約500本の筋肉があり、それは大きく2つに分類される。ひとつは骨や体を動かす骨格筋と心臓を動かす心筋であり、もう一方は、内臓の運動をつかさどる平滑筋である。それぞれの筋肉は、その働きにあったさまざまな特徴を持っている。運動と関係する骨格筋線維は主に2つに大別され、収縮速度の遅い遅筋(赤筋)と速い速筋(白筋)で、筋肉の色の違いは、この筋線維の割合の違いによる。

エネルギー生成系を加味して更に細かくタイプ分けされているが、個人の骨格筋中の遅筋と速筋線維の割合は、それまでの生活習慣などの違いから異なるといわれている。遅筋線維は持久的運動に重要であり、有酸素的エネルギー生成能力が高く、一方、速筋線維は素早い筋収縮を必要とする運動で、無酸素的エネルギー生成能力が高い。マラソンなどのスポーツでは長い距離を走ることから、そのエネルギー生成は酸素を必要としている。それ故、赤筋(遅筋)が重要である。逆に短距離のスプリンターでは、呼吸している間はなく、酸素を必要としないエネルギー生成にすぐれた白筋(速筋)の比率が高い。水泳選手は赤筋が多く、投てきや重量挙げなどの瞬発力が不可欠な選手は白筋タイプが多い。赤筋および白筋の割合は、トレーニングにより変動する。それぞれのスポーツに対するトレーニングとは、それぞれに適した筋線維の赤・白の割合の調整がどれだけうまく行えたかである。記録はその反映である。

 私は以前、食べ物によりこの赤筋・白筋の転換が可能であるかなどについて研究していた。それは、フレイルに伴い骨格筋の萎縮が起こるので、それが栄養条件により防止できないかと考えたからである。さて、あなたの筋肉は短期集中的に素早い行動を起こすヒラメ型か、それともじっくりと持久力を必要とするマグロ型か、どちらでしょう。寿司をつまみ、ネタの色つやを眺めながら自分の身を振り返るのも乙なものである。寿司には上がり(緑茶)が必須です。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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