初春巳(はつはるのみ)に願いを込めて
新年あけましておめでとうございます。 今年の干支「巳」は復活と再生を意味し新しいことが始まり実を結ぶ予感を与えてくれそうです。巳年の守り本尊は知恵と慈悲を象徴する普賢菩薩、十方世界のすべての衆生を救済するというありがたい仏様です。
世界は自国、と言うよりは指導者の我と利益の為に起こった戦渦にまきこまれ収拾がつかない状態で一番不幸なのはそこで暮らす一般庶民です。文明はかつて経験したことのないスピードで進化しているのに争いを止める手段は持っていないようです。
そんな世界ですが緑茶ブームは依然として続いていて日本産抹茶、粉末茶の快進撃は留まることをしりません。カテキンが注目されて90年代に始まった緑茶の健康ブームですが時が進むにつれて抽出液を飲む煎茶から全量摂取の粉体へ、慣行栽培から有機栽培へと求められるものが変化してきました。求められる成分もカテキンだけからテアニン、カフェインとのバランスへと進み日本産が優位にたっています。カテキンだけなら紅茶品種で緑茶を製造した方が日本産緑茶の10%の倍以上の含有量ですので紅茶園の 緑茶が優位にたつ訳ですが、日本産緑茶のほうが成分バランスが健康面だけでなく精神面でも認められてきていて、その為に茶園、茶工場の煎茶から碾茶への移行がドラスティックに進んでいます。特に鹿児島は碾茶園を増やしたことで相対的に煎茶用の荒茶生産が減り相場が維持されるという状況です。静岡では工場の休止や廃園が一気に進み需給バランスの逆転もうかがえてきました。逆転となれば茶農家の収入増も期待できますし、何かが起こりそうな予感がします。
ただ出口としてのお茶ファンの創造はコロナもあり道半ばですが体験さえすれば必ず答は帰ってくる確証は得ています。今年も 竹沢はお茶の体験をテーマに新しいお茶ファンの創造の為に出来ることはすべてやっていく覚悟です。「臥龍蛇の勢い」な年に皆でしませんか。
竹澤重人