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茶柱コラム

〈食と美と健康〉オリーブオイル ― オリーブジュース?                      

 日本でのオリーブ栽培は小豆島(香川県)が独占しています。しかし、近年、静岡県においても幾つかの取り組みが行われており、今後、静岡県をオリーブの産地にして六次産業化し、さらに観光資源として地域を活性化する計画が進んでいます。

ギリシャとオリーブ

 澄んだ青空の下、雄大に広がる紺碧のエーゲ海、山々に連なるオリーブの木々、ギリシャは古代から神々がすむ土地である。25年ほど前、国際オリーブオイルシンポジウムが名古屋で開催された。その頃、私は、2月末から良質のオリーブオイルを生産しているギリシャのカラマタに出かける機会を得たのでした。この時期、街路樹でもあるオレンジの木には一杯の実がなっており、また、アーモンドや梅の木々にも白やピンクの花が咲き誇り、あたかも桜のようでした。レモンも実をつけ、野花も絨毯を敷き詰めたようにいっせいに開花していたのを覚えています。

地中海型食事

 ギリシャを問わず、地中海沿岸での食事にオリーブオイルは欠かせません。健康を考えたとき、血液中のコレステロールや中性脂肪の蓄積から、動物性脂肪から植物性脂肪に注目が集まり、また、脂肪酸については、魚に特有のドコサヘキサエン酸(DHA)が脳機能を高めるとして、関心を持たれています。地中海型料理に欠かせないオリーブオイルも、おいしさとその生理機能の両面から注目されています。高級な料理としてフランス料理が有名ですが、何となくこってりとしたフランス料理よりも、生野菜にオリーブオイルを振りかけた、気楽さのあるイタリア料理が女性には好まれているようですね。

オリーブオイル

 オリーブ農園で家庭料理を頂きました。殆ど全ての料理にオリーブオイルがふんだんに使われていて、おいしさを引き出すと同時に、その必要性を納得しました。どの位のオリーブオイルが使われているかというと、5人家族で1年間に約300kg使用するというのです。1日当たり約1kg(1リットル)弱の消費で非常に多いですね。オリーブオイルを作るところも見学させてもらいました。オリーブの実をそのまま搾り出すジュースである。皮、果肉、種から絞り出される全ての成分を含んでいるのです。オリーブオイルの官能試験も体験しました。小さな紙コップに少量のオイルを注ぎ、手でふたをして、しばらく手の平で温め、ゆっくりと回しながら独特の芳香をかぐのです。次いで、少し口に含み、舌の上でころがし、鼻から抜ける香りや風味を確かめ、ゆっくりと喉を通す。そうすると、しばらくして喉の奥にピリピリとした感じが湧いてくる。パンにオリーブオイルをしみ込ませ、口の中で味わう。いずれにしても繊細な感覚が要求されます。

オリーブオイルの生理作用については,次回に述べることにします。

〈2022年8月 / 茶柱コラムより :旧竹沢製茶HPに掲載分〉

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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