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茶柱コラム

〈食と美と健康〉サーモンは脳を元気にするブレインフード?                      

 今回も引き続き、ブレインフードを取り上げます。高齢者が急速に増加し、また、ストレスに晒されることの多い高ストレス社会では、認知症の患者数も急増しています。脳機能の低下を反映した様々な社会問題が生じていることも事実です。加齢は認知症の最大の危険因子ですが、歳を取ることは必然ですので、予防が大切です。緑茶に含まれる茶カテキンやテアニンは、脳の老化を防止し、認知症予防の効果を持つことを先に示しました。そこで、今回は、その他の例を取り上げてみます。

赤身のサーモン

 脳の健康を維持する食べ物というと、おそらくサーモンを一番に思いつくかもしれません。サーモンに含まれ良く知られている成分は、血流改善に効果的なオメガ3系脂肪酸です。代表的な脂肪酸はα-リノレン酸があり、体内に入った後は代謝されてEPA、DHAとなります。植物由来の油ではエゴマ油やアマニ油、また、エクストラバージンオリーブオイル、くるみ等があります。サーモンのオメガ3系脂肪酸の含有量はイワシ、サバなどとダントツに多く含まれています。また、サケの切り身やイクラの赤色を呈しているのは、天然色素の一種「アスタキサンチン」で、この色素は血液脳関門を通過することができる数少ない抗酸化物質です。最近では、アスタキサンチンのサプリメントも多く販売されています。

オメガ3系脂肪酸を利用

 サーモンをはじめ、魚は確かに脳を活性化させる食材ですが、だからといって魚中心の食事にしなければならないことはありません。あなたの記憶力や集中力を高め、精神状態を安定させるのに役に立つ食品は、他にもたくさんあります。例えば、脳はその機能を果たすためには、多くの栄養素やミネラルなどを必要とします。もちろん、他の臓器と同じように脳もその8割は水分です。それ故、ミネラルを多く含む硬水も効果があります。このオメガ3系脂肪酸との組み合わせを考えてみると、朝食に硬水ミネラルウォーターのコーヒーと大さじ1杯のアマニ油を塗ったトーストを、お茶の時間にカカオ80%のチョコレートを、そして夕食には発芽玄米、野菜サラダ、キムチではどうでしょうか。そして、さらに摂取を望むのであれば、サプリで補うのも一つの方法でしょう。

 最近、物忘れが多くなったとか、顔は思い出すけれど名前が出てこないなどと感じている方は、食生活にブレインフードを取り入れることをオススメします。

〈2021年8月 / 茶柱コラムより :旧竹沢製茶HPに掲載分〉

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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