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〈食と美と健康〉お茶の記念日:今年の5月1日は「緑茶の日」

5月は新茶の季節です。テレビ「相棒」の杉下右京が、毎回、紅茶を飲んでリラックスと集中力を得ているように思いますが、新茶の時期は、新茶を楽しむ一日にしてみませんか?

立春から数えて88日目にあたる八十八夜は、「緑茶の日」です。これは、1990年(平成2年)に公益社団法人日本茶業中央会によって制定され、毎年5月1日前後で日付が変わりますが、今年はうるう年なので5月1日にあたります。また、4月29日の「昭和の日」から5月5日「こどもの日」までの一週間を「グリーンティーウィーク」と定めており、各地でさまざまなイベントが開催されます。茶園やお茶の生産地では新茶を楽しむためのイベントやお茶会、観光や体験ツアーも開催されるなど、茶文化の振興の面でも特に重要な時期です。

一昔前には、お茶は、どこへ行っても出してくれる身近な飲料であり、ただで飲める印象を持っていました。水についてもタダだと思っていたが(勿論、タダではないが)、今では、ミネラルウォーターや飲料水として売られています。茶飲料として「お~いお茶」が出た時には、お茶を買うのかと疑問もありました。何故、タダと思っていたのでしょうか。お茶は安く、どこの家でも大量に保管していたのでしょうか。あるいは、生産量が多かったのでしょうか。昔のように、お茶をタダの如く飲めるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。茶の生産農家では、年間を通じて大変な努力をしているので、費用が掛かります。それ故、その対価としての茶の値段が上がれば、生産量は増えるのでしょうか。あるいは、消費者の給料が倍になれば、お茶の購入が増えるのでしょうか。給料が上がれば、干物が刺身になり、ホルモンがステーキになるように、食生活のランクが一段階上がるだけで、お茶の消費が増えるようには思えません。

生活習慣の大幅な変化が必要なのでしょうか。結局、各個人の健康志向に頼るしかないのかもしれません。お茶の摂取は、健康へのメリットがあるということを周知させるしかないのかもしれません。そうすれば、少しぐらい高価であっても、お茶を購入し、飲んでもらえるのではないでしょうか。お茶の効能に関しては随分と明らかにされ、今後は、如何に一般の方たちに認識してもらうかが必要だと思われます。以前、取り上げた子供達への茶育も必要性かもしれません。

緑茶の日は、日本の伝統的な茶の文化を称えるだけでなく、緑茶の健康効果や多様な用途を広めるための機会でもあります。ちなみに、5月21日は、国連が制定した「国際お茶の日」でもあります。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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